「的中率20%なら5連敗は約33%」という計算だけでは、何を数えた確率かが分かりません。次の5回をすべて外す確率と、10回のどこかで5連敗以上が一度起きる確率は別です。先に期間と数える事象を決め、同じ式を別の問いへ流用しないようにしましょう。
先に押さえる3点
- 一定の的中確率pで各回が独立なら、先に指定したn回すべて外す確率は(1−p)のn乗。
- 10回の途中に5連敗が現れる確率は、最初の5回を外す確率とは違う。
- 計算例のpを実際の能力や将来の的中率へ置き換えず、連敗上限や資金の安全を保証しない。
連敗の単位と対象期間を先に決める

1レースで10組を買う場合、その10組は同じ結果に依存します。これを独立した10回として数えると、連敗の意味が変わります。本記事では、1回ごとに的中か不的中の二つへ区分し、各回の的中確率が一定で、互いに独立する仮定を置きます。実際の馬券をそのまま表した条件ではありません。
NISTの二項分布の説明では、一定の成功確率を持つ試行の成功回数を扱っています。何回成功したかと、どこで連続したかは別の情報です。総的中回数だけでは連敗の並びは分かりません。
返還や見送りを不的中へ混ぜない
記録から確率を検討する場合は、見送り、全額返還、部分返還、複数の買い目をどう扱うかも先に決めます。都合の良い日だけを対象へ追加したり、見送りを外れにしたりせず、対象集合を再現できる形に残してください。
次の5回すべて外す確率を計算する

仮想の的中確率p=0.2なら、1回の不的中確率qは1-0.2=0.8です。次の5回を先に指定し、すべて不的中となる確率は0.8の5乗=0.32768、百分率で32.768%です。
| 仮定した的中確率 | 指定した5回すべて不的中 | 計算 |
|---|---|---|
| 20% | 32.768% | 0.8の5乗 |
| 30% | 16.807% | 0.7の5乗 |
| 50% | 3.125% | 0.5の5乗 |
5回連続で外すことは小さくない確率でも、それは「5連敗が最大」「何回か買えば必ず当たる」という意味ではありません。同じ仮定で次の10回すべて外す確率も、0.8の10乗=10.73741824%として残ります。
10回のどこかで5連敗する問いへ広げる

同じp=0.2、独立・一定という仮定で、10回のどこかに5連敗以上が一度でも現れる確率は65.536%です。最初の5回だけを指定した32.768%とは問いが違うため、値も違います。
開始位置ごとの確率をそのまま足さない
10回の中には、1〜5回目、2〜6回目など六つの5回区間があります。しかし、最初の6回をすべて外した並びは、複数の区間へ重複して数えられます。6×32.768%と足したり、六区間を独立として計算したりできません。
65.536%の検算方法
初めて5連敗へ到達する回を5〜10回目に分けます。5回目で初成立はqの5乗。6〜10回目で初成立する五つの各場合は、直前に的中が一つあり、その後が5不的中なのでp×qの5乗です。この10回・5連敗の設定では、その前に5連敗は収まらず、互いに重複しません。qの5乗×(1+5p)=0.32768×2=0.65536。別に全1024通りを列挙し、的中と不的中の個数に応じた確率を合計して一致を確認しています。この簡略式を任意の期間へそのまま使わないでください。
すでに外した後の次の1回を混同しない

上の仮定のままなら、5回外れた後も次の1回の的中確率は20%です。「そろそろ当たるから上がる」「6連敗は珍しいから次は当たる」とは計算できません。まだ買っていない時点での6連敗全体の確率と、5連敗を見た後の次の1回は、条件が違います。
現実の条件が変わった場合は別
対象レース、馬券の組み方、選定方法、馬場などが変われば、実際の的中確率が一定という仮定自体が崩れる可能性があります。連敗したから確率が必ず同じとも、必ず変わったとも断定せず、変更した条件と結果を分けて確認します。
追い上げる根拠にはしない
連敗確率の計算は、次の購入額を増やせば有利になる証明ではありません。購入額を変えても、同じ買い目が的中する事象そのものは変わりません。
実測の的中率と仮定の確率を分ける

過去10回で2回的中したという実測値は20%ですが、次も20%で独立に起きる証明にはなりません。少ない件数、同じレースへの複数買い、選定条件の変更を含むと、見かけの比率だけでは比較できない部分が増えます。
過去と同じルールで対象を宣言し、予想した時点の記録と、その後の結果を分けて残します。確率の検証方法は予測確率の校正とBrierスコアへ。収支の記録は購入・返還・払戻を分ける収支表で確認できます。
- 何を1回としたか、何回を対象にしたかを残す。
- 的中率だけでなく並び順を保存し、連続する区間を再現する。
- 過去の結果を見てルールを変えた場合、その後を別期間として評価する。
よくある疑問と計算結果の使い方

32.768%なら3回に1回必ず起きますか?
必ずではありません。確率は一定回数ごとの発生を約束する数字ではなく、短い期間には偏りが生じます。
10回内65.536%は今後どの買い方にも使えますか?
使えません。p=20%、独立、一定、対象は10回という仮定に対応します。実際の買い方にその条件があるとは確認していません。
連敗上限や安全な資金額は出せますか?
この計算から有限の連敗上限は出せません。購入額や生活資金の安全も保証せず、期間と事象を正確に読むための計算として使います。
数字を使う前に問いを一行で書き、その問いに対応する式かを確認しましょう。関連する計算の基礎は記事一覧へ。
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