競馬データでは、同じ期間でも条件別と全体の成績が逆転することがあります。重要なのは、率を比べる前に、その率を作った件数の構成を見ることです。仮想の選定ルールA・Bで、計算を順に確かめます。
30秒で要点
各条件ではAが高くても、Aが難しい条件へ多く参加すれば、全体ではBが高くなる例を示します。全体率と条件別率のどちらかを消すのではなく、件数と対象条件を並べて判断します。以下は実際の予想実績ではありません。
目次を開く|要点から確認する
条件別と全体で評価が逆転する仕組み

構成比の異なる集団をまとめると、各集団内とは逆向きの関係が全体に現れることがあります。シンプソンのパラドックスとして知られる現象です。集計結果が誤算とは限らず、比べている問いが違う場合があります。
以下では「有利な条件」「難しい条件」という2区分を説明用に置き、的中件数/参加件数を比べます。実際の競馬条件を事後に都合よく分類した分析ではなく、構成比の仕組みを示す仮想例です。
有利な条件ではA80%、B70%

| 仮想ルール | 的中件数 | 参加件数 | 率 |
|---|---|---|---|
| A | 8 | 10 | 80% |
| B | 63 | 90 | 70% |
この条件では8÷10=80%、63÷90=70%で、Aが10ポイント高い設定です。ただしAの参加は10件、Bは90件。率だけを見ると、この件数の偏りが見えなくなります。
差の単位も区別する
80%と70%の差は10パーセントポイントです。相対的に何%増えたかという問いとは計算が違います。ここでは効果の有意差や予測性能まで推定していません。
難しい条件でもA20%、B10%

| 仮想ルール | 的中件数 | 参加件数 | 率 |
|---|---|---|---|
| A | 18 | 90 | 20% |
| B | 1 | 10 | 10% |
この条件でも18÷90=20%、1÷10=10%でAの率が高い一方、今度はAが90件、Bが10件です。Aは難しい条件の比重が大きく、Bは有利な条件の比重が大きい対象集合になっています。
実際の比較であれば、ルールAがなぜ難しい条件へ多く参加したのかも検討します。異なる条件の選び方自体が運用の一部なら、その違いを消した評価だけでは判断が足りません。
件数を足すと、全体はA26%、B64%になる

Aは(8+18)÷(10+90)=26%。Bは(63+1)÷(90+10)=64%です。各条件内ではAが高くても、全体ではBが高いという逆転が起きます。両ルール各100件、合計200件をすべて保持した計算です。
| 集計 | A | B |
|---|---|---|
| 有利な条件 | 8/10=80% | 63/90=70% |
| 難しい条件 | 18/90=20% | 1/10=10% |
| 全体 | 26/100=26% | 64/100=64% |
全体率は件数で重み付けされます。80%と20%を単純平均した50%は、このAの実際の全体率26%ではありません。分子と分母を先に足すことが検算の基本です。
50対50の構成へそろえた比較は、別の問い

両条件を50%ずつと仮定して比べるなら、Aは(80+20)÷2=50%、Bは(70+10)÷2=40%になります。これは同じ条件構成ならどうなるかを説明する標準化の例です。実際の全体成績を書き換えたものでも、将来の的中率でもありません。
因果効果を断定しない
条件ごとに対象馬や人気帯、期間などが異なる可能性があります。構成比をそろえただけでAが原因となって成績を改善したとは言えません。少数の分類ほど不確実性も残ります。
人気帯別の比較と指数の検証手順では、集計対象を結果を見る前に固定する考え方を確認できます。
競馬データを読む確認票とFAQ

①対象期間・条件を固定、②的中件数と参加件数を併記、③条件ごとの構成比を確認、④全体率を分子・分母から再計算、⑤別期間で確認、の順に記録します。都合のよい区分だけを残さないことが再現性につながります。
全体率と条件別率のどちらが正しい?
どちらも同じデータから正しく計算できます。現在の運用全体を知りたいか、同じ条件内を比べたいかで役割が違います。
条件別の率を平均すれば全体率?
件数が異なる場合は一致しません。実際の全体率は分子・分母を足して求めます。
逆転を見つけたら高い方のルールを使えばよい?
少数データ、条件の選び方、人気帯や馬券構成も確認します。この仮想例だけで将来の優劣は決められません。
学んだ比較を、予想の組み立てへ
中央6コースは各4週20,000円、メール配信です。対象レースと券種は現行のコース案内と配信見本から比較できます。
メール窓口:shisuugasubete@gmail.com





コメントを残す