前走の指数が上がったのに、3走平均は下がった。この動きは計算ミスとは限りません。移動平均では新しい値が入ると同時に、古い値が一つ外れるからです。平均の高低だけで好調・不調を決める前に、「入った1走」と「外れた1走」を分けて検算しましょう。
先に押さえる3点
- 同じ本数の単純移動平均の変化は「新しい値-外れる値」を本数で割れば分かる。
- 最新値の前走比と、平均の更新による変化は違う比較。
- 過去の検証には、その予想時点までの値だけを使う。欠測を0で埋めない。
移動平均の期間と対象を先に固定する

移動平均は一定の区間をずらしながら平均を計算する方法です。総務省統計局・移動平均の説明では、区間の置き方として中央・後方・前方の違いも説明されています。予想の振り返りでは、対象時点より後の成績を使わない後方の窓を扱います。
競馬の指数に使う場合は、同じ算出元・尺度で比較できる値を用意します。別サービスの80と別サービスの100を、説明なく同じ列に並べて平均することはできません。芝とダート、対象外の競走、未完走の扱いも先に決めます。
3走は3か月を意味しない
同じ3走でも、短期間に走った馬と休養を挟んだ馬では時間の幅が違います。本数に加えて最古と最新の対象日を残すと、平均の古さを確認できます。平均・最高値の基礎は近走平均と最高値の比較で扱い、本記事は平均が更新された理由に絞ります。
入る値と外れる値で更新式を検算する

同じ本数nの単純移動平均なら、更新後の平均は「更新前の平均+(新しい値-外れる値)÷n」で計算できます。残った値の合計は変わらず、新旧一つの差だけが合計へ加わるためです。
仮想の3走で計算する
古い順の指数が110、80、70なら、平均は260÷3=86.666…です。新しく90が加わると110が外れ、80、70、90の平均は240÷3=80になります。更新式でも86.666…+(90-110)÷3=80と一致します。
丸める場所を最後にする
画面の86.67だけから再計算すると80.003…などの差が出ます。合計260と本数3を残し、最後の表示段階で丸めれば検算がずれにくくなります。
最新値は上昇、平均は低下する場合を読む

上の仮想例で、最新の90は一つ前の70から20上がっています。それでも3走平均は下がります。平均の更新は90と70の比較ではなく、新しく入る90と外れる110の比較で決まるためです。
| 比較 | 計算 | 言えること |
|---|---|---|
| 最新値の前走比 | 90-70=+20 | この2走の数値は上昇 |
| 3走平均の更新差 | (90-110)÷3=-6.666… | 窓の入替で平均は低下 |
| 現在の3走の幅 | 90-70=20 | 現在の値のばらつきの一面 |
これだけで能力が20上がった、調子が落ちたとはいえません。指数へ影響した馬場・相手・展開や、同じ条件で比較できるかを確認します。「平均低下の原因が古い高値の脱落だった」と分かった後に、今回の条件への適合を考える順序です。
3走と5走で違う値になる理由を確認する

古い順に100、110、80、70、90という仮想の5走なら、5走平均は450÷5=90、直近3走平均は240÷3=80です。二つの計算が矛盾しているのではなく、含めた期間が違います。
採用する窓を結果を見て変えない
高い方の平均を毎回選ぶと、都合の良い過去値を拾う手順になります。例えば「基本は直近3走、5走平均は古い高値の影響を確認する補助」と役割を先に固定すると、予想前と振り返りで比較が変わりにくくなります。
新しい走りを強く扱う別の方法は指数の重み付けと加重平均で説明しています。単純移動平均と加重平均は同じ更新式ではないため、式を混ぜないようにします。
欠測と未来の値を混ぜずに振り返る

3走のうち一つの値が欠けた場合、残る2走の合計を3で割ると、欠測を0扱いした計算になります。「確認できた2走の平均」と明示するか、3走が揃うまで計算を保留するかを、先に決めてください。古い4走目を補充するなら、そのルールと対象日が変わったことも残します。
現在の平均を過去の予想へ貼り付けない
10月の成績が入った現在の3走平均を、9月時点で知っていた数値として検証に使うことはできません。予想時点ごとに対象日・元の値・合計・本数を保存し、その時点までの走りだけで更新します。
再利用できる検算メモ
対象時点/対象の最古日と最新日/元の数値列/外れる数値/加わる数値/合計/本数/丸め前の平均。この欄があれば、平均の変化を元の資料まで戻って確かめられます。
よくある疑問と更新の確認表

最新指数が上がれば平均も上がりますか?
必ずではありません。外れる値が最新値より高ければ、同じ本数の単純平均は下がります。
3走平均と5走平均のどちらが正しいですか?
どちらも対象を正しく定義すれば正しい計算です。何を確かめる窓かを先に決め、結果に合わせて有利な方を選ばないことが大切です。
平均80は勝率80%ですか?
違います。指数の尺度と発生確率は別です。確率を扱う場合には、定義と検証が必要で、予測確率の校正と検証で区別を確認できます。
更新理由を説明できたら、その数値が今回の条件をどこまで表すかを次に検討します。関連記事は記事一覧へ。
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執筆:指数が全て。





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